最近、kiki vivi lilyの「Blue In Green」にハマってよく聴いている。
kiki vivi lily × SUKISHA - Blue in Green [Official Video]
会社へ行く時は音楽を聴き、帰る時は大体ラジオを聴いて帰る。社会人生活を送る上で自然と身に付いてきた習慣だ。
音楽のジャンルはその時々で違っている。憂鬱な気分を紛らわすためにアップテンポの曲でテンションを上げる、ということもあるけど、その時に見ている映画やドラマで使われている音楽を聴くことがほとんどだ。
そもそも音楽にハマったのは高校2年生からで、ずいぶん遅いんだと思う。iPodを持ってなくて音楽を聴く手段すらなかった僕が、音楽にハマったきっかけは、earth music&ecologyのCMで、宮崎あおいがブルーハーツを歌う姿に心惹かれたからだった。そこからソラニンという漫画(映画で宮崎あおいが主役だった)に出会い、主題歌を歌っていたアジカンを好きになっていた。
高校生の時や大学1,2年生の時は特にこだわりがあったわけではなく、テンションが上がればOKという音楽の聴き方をしていた。エモいという言葉をむやみやたらに使っていたのもこの時期だったか。それがいつからか歌詞重視の音楽の聴き方をするようになった。小沢健二のせいなのか、くるりのせいなのか、はたまたHomecomingsのせいなのか、あまり覚えていない。特定のアーティストがきっかけってことではないのかもしれない。
TVを観ている時間よりも音楽を聴いている時間の方が長いからなのか、生活のある場面にある曲の歌詞がふいに結びつく、ということがある。ここ数日でまさにそんな瞬間があって、思わずハッとしてしまった。ちゃんとその瞬間を記憶に留めておきたかったんだけれど、その日の夜にブログの下書きに書きとめておこうと思ったら忘れてしまっていた。こまかい発見やささやかな喜びみたいなものを形にしておかないと消えていってしまうし、消えていってしまうことを良しとしてしまったら、色々なことをないがしろにしていってしまうことになるような気がして少しこわくなる。
結局、何日か経ってからようやく思い出した。それは他の人からするとよくわからないと思うことかもしれないが、こんなことだ。
色んな漫画を読んでいて、どのヒロインにもあの子っぽいなと思ってしまうことが多くなってきた。僕がその子のことを意識しすぎなんだろうな、と漠然と思っていたときに、星野源の恋の一節が結びついたのだ。
恋せずにいられないな 似た顔も虚構にも
虚構にすらあの子を見出して、恋してしまう。恋し始めたら、似た顔にも虚構にもあらゆるものにあの子を見出してしまうこと、みたいな曲解をすることで、僕の中ですごいしっくりきてしまったのだ。恋って特定の誰かに執着することと思われがちなんだけど、そうではなくて、世界の解釈の仕方が変わってしまうことなんじゃないか、と大げさなことを考えたりしてみる。
音楽つながりで書きとめておきたいのは、Creepy nutsの「だがそれでいい」って曲のことだ。「だがそれでいい」は、自分の黒歴史を振り返る曲だ。全員少なからず黒歴史ってものがあると思う。僕もそうだ。こんなことやらなきゃよかった!の連続で、だからこそタイムリープもの、過去改変ものに惹かれてしまうんだと思う。けれど、この曲では、黒歴史すら肯定してしまう。
お前は間違ってる
間違ってるが、それであってる
だって高校デビュー、大学デビュー
全部失敗したけどメジャーデビュー
今の自分があるのは過去の行いがあったからで、それを否定してしまうのは今の自分を否定することになる。つまりこの曲は、徹底的な今の肯定だ。今年僕が何度も書いていた気がするが、”なかったことにしない”、っていう価値観がそこにはあるような気がして、ちょっとダサい曲なんだけど、大好きなのだ。