公開されてから随分経ってしまったし、観に行ったのは5/5なんだけれど、今泉力哉監督作の「愛がなんだ」について簡単に書こうと思う。
僕はそんなに映画を見る人ではないのだけれど、去年の2月ごろ、イオンでたまたま「パンとバスと二度目の初恋」をやっていたので、ふらっと見に行ったのを覚えている。印象的なシーンがいくつかあったから、この人の次の作品も見に行こうと密かに決めていた。
映画って全体を愛せなくても、このシーンはとっても好きみたいなことってあると思う。「パンとバスと二度目のハツコイ」も、全体を丸ごと好きってわけではないんだけれど、深川麻衣が目薬を差すシーンとかラストシーンの静けさが好きで、フェティッシュな映像だ!って印象を絶えず感じた。
僕の中では、「パンとバスと二度目のハツコイ」とEnjoy Music Clubの「ナイトランデブー」の空気感、世界観が重なっている。
ENJOY MUSIC CLUB & ザ・なつやすみバンド「ナイトランデヴー」LIVE
ああ 二人はいつも
何も決めずに歩いて
ああ 夜はいつも
二人を乗せてく
何か決定的なことが起こるような映画ではないのだけれど、ほんの少しの変化とか発見を愛おしく思えるような気がする。
「愛がなんだ」は、岸井ゆきのが「うるせーバーカ」と顔をしかめながら吐き出すシーンで、絶対見たい!と思っていた。甘々な恋愛映画ではなくて、ちゃんと女の子に口汚いセリフを言わせられる映画の方が、ずっとよくないですか?KANA-BOONの「ないものねだり」で岸井ゆきのを初めて認識したのを覚えている。
このPVでの岸井ゆきのの目の演技が好みで、この時期のバイト先の飲み会でPVをよく同僚に見せていたのを覚えている。(1:40〜2:10あたりが好き)
「愛がなんだ」の冒頭は、テルちゃん(岸井ゆきの)の目のアップから始まる。
マモちゃん(成田凌)から電話がかかってきている。どうやらマモちゃんは風邪をひいているようで、もし仕事帰りだったらついでにご飯を買ってきてくれないか、とテルちゃんに頼んでいるようだ。そこから徐々にカメラが引いていって、テルちゃんの部屋が映し出される。テルちゃんはおそらく仕事から帰ってきたばっかりなんだけれど、嬉しさに顔が緩みながら、マモちゃん(成田凌)に「えー、今まさに会社ですけど。しかも、ちょうど帰ろうとしてたところ。仕方ない。頼まれてやっか」と嘘をつく。
この冒頭のシーンは、YouTubeでも配信されているんだけど、テルちゃんのファッションセンス絶妙じゃないですか?? 僕自身ファッションに疎いので、言えた立場ではないし、的外れな意見なのかもしれないけれど、ちょっとダサくて最高じゃないですか??
「愛がなんだ」全篇を通して、テルちゃんのファッションが絶妙にちょっっとだけ芋っぽくてダサい。(テルちゃんとマモちゃんが出会った、結婚式の二次会の場面はオシャレだと思っだけれど)
恋は盲目とはよく言うが、テルちゃんとマモちゃん、葉子と中原くん、みたいな歪な関係性の甘さもほろ苦さも良いなと思えました。
超絶オススメの映画なので、恋している時のウキウキ感、うまくいっていない時のギスギス感とか自分の過去を思い出して、空気感を存分に楽しんでください。
以上!