on the road

カルチャーに関する話。

エンドレスエイトみたいな夏

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今年は天気がぐずついて、晴れ間も少なくて冷夏なのだろうかと思っていたけれど、梅雨が明けてからはすっかりいつもの夏の日差しを感じる。

 

最近、「涼宮ハルヒの憂鬱」を見ている。エンドレスエイトと呼ばれるエピソード群を見たのもつい先週のことだ。エンドレスエイトは、アニメオタクにはあまりにも有名な話だと思うのだけれど、僕は全然知らなかった。知ったきっかけはEnjoy Music Clubの「100%未来」の歌詞だった。

 

100%未来 (feat. 三浦直之)

100%未来 (feat. 三浦直之)

  • Enjoy Music Club
  • ポップ
  • ¥250

 

明かり消して 上映会

息もできない 新しき世界

君の本棚の知らない 漫画

最高だな とまんない会話

特別な毎日 繰り 返し

映画、CD 借り 貸し

エンドレスエイトみたいな日々

気づけば 無くなる 2人の距離

 

エンドレスエイトは夏休みの後半(8/17〜8/31)を延々と繰り返すっていうループもの。演出は違えど、ほぼ同じ内容を8週連続でやるという尖りまくったエピソード群だ。8/17にループするときは毎回記憶がリセットされるから、ループしていることに気づくのが遅くなるし、気づいたからといってハルヒに気づかれると世界がどうなるかわからないし、積極的にループから抜け出そうとするわけではない。そもそもこのループは、市民プールに遊びに行ったり、花火を見たり、虫とりをしたり、やりたいことをひたすらやる2週間なので、地獄のようなループではないように思う。

 

ループを抜け出すきっかけになったのはキョンの家で宿題を手伝うことって言うのが良い。ハルヒは自分のやりたいことをたくさんやっていたから、心残りなんてないはずなのにひたすらループを繰り返していた。ハルヒSOS団の団員をひたすら振り回していたわけだけれど、キョンの家で宿題を手伝うこと、という振り回されたことはほとんどなかった。振り回されることで、想像していなかった夏の過ごし方を過ごすことになった。ハルヒが求めていたのは、予想もしていない出来事、だったのだろうか。

 

僕の夏休みは来週から9日間あるわけだが、夏休み前に河口湖へ友達4人で旅行してきた。僕は去年まで会社でスポーツ大会の実行委員みたいなことをやっていて、それで運営にある程度貢献すると、旅行券が6万円もらえるのだ。4人の旅費を賄うほどではないが、1人当たり15,000円安くなるのは友達を誘う側としてありがたい。使うには有給を使わないと行けないとか条件があるので、夏休み前に旅行をすることになったのだ。夏休み前に旅行なんて夏休みを2回体験しているような気持ちになる。

 

 河口湖への旅行のメインの目的は、牧場だ。東京近郊で友達も行ったことないような牧場となると、河口湖方面だったのだ。仕事や諸々の用事にかまけて、事前の準備をあまりすることができなかったけれど、気心知れた友達と行く旅行なので、道中でゆっくり決めていけばいいじゃないか、という気持ちで旅行初日を迎えた。

 

旅行の出発の日は早く起きられるし、寝覚めも良い。平日も同じように起きれたら良いのに。初日はダサめのTシャツを着た。誰かに指摘されたいわけでもないけれど、旅行ってよく分からないTシャツを着たい気持ちになる。

 

新宿駅に集合した。一人は新宿駅からではなく、自宅から向かった方が時間もかからないし、お金も安くすむので、直接向かってもらった。家から新宿駅に向かう途中、アーチャー伝説のチャプター5をクリアする。2週間くらいクリアできなかったので、とても嬉しい。ふと友達が2048というゲームでハイスコアを叩き出す時、良い事が必ず起こる、と言っていたことを思い出す。僕もチャプター5をクリアした事で、何かしら良い出来事が起こるだろう、と漠然と思う。新宿駅からは富士回遊という特急電車に乗った。電車の出発時間の20分前に新宿組は集まった。

 

駅弁のお店で適当に朝ごはんを買う。とは言っても僕はすでに朝ごはんを食べていたから、燻製卵だけ買った。最近ゆで卵やら燻製卵にほんの少しだけハマっている。電車に3人席なんてものはなかったので、僕は1人で座った。友達の席を僕が間違えて教えてしまったため、途中まで違う席に座らせてしまうハプニングもあった。一人で座っている席から友達のいる方へ話しかける元気はなかった。燻製卵の匂いで若干乗り物酔いになってしまったからだ。情けないとはこのこと。

 

そのまま電車に揺られて河口湖へ到着。というわけではない。実は、レンタカーを河口湖駅周辺で借りられなかったのだ。その二駅手前の富士山駅でレンタカーを借りる事ができたため、富士山駅で途中下車をする。富士山駅で直接自宅から向かっている友達を待つ。待っている間にスクラッチくじを買って削ったり、小さなゲームコーナーに設置されている少し大きめの野球盤でゲームをしていた。LINEの通知が鳴る。友達のいる場所は豪雨らしい。僕らがいる富士山駅は、多少雲は見えるものの快晴だったので、どこにいるのだろうと訝しんだりした。その友達はバスで来ていて、その道中ではにわか雨が降っていたようだ。

 

なんとか友達と合流し、レンタカーを借りる。時間は11時40分くらい。ホテルのチェックインは15時からだったから、ぶらぶら寄り道をする必要がある。僕らはというと、道の駅「富士吉田駅」に寄り道をした。ここら辺は吉田のうどん、と呼ばれる硬くてコシの強いうどんが有名だそうだ。道の駅でも吉田のうどんを注文した。この道の駅はなぜか馬肉推しだったので、馬肉メンチを注文した。うどんはコシが強すぎるのは正直好きではないのだが、ダシもちょうど良い感じだったのとトッピングで乗っているキャベツや馬肉の珍しさで美味しく食べる事ができた。食事しながら富士山クイズを出題して、知識を身につけた。

 

道の駅に隣接している富士レーダードーム館の見学をした。レーダードームってなんだ?とは思ったけれど、富士山の山頂に気象観測用に建設された富士山レーダーの歴史を学べる学習施設だった。クイズが多く、楽しみながら学べる施設だった。2階に富士山頂の気温を体感できるスペースがあった。半袖の状態で入ったけれど、とても寒い。30秒程度で終わりなんだけど、それ以上いたらとてもじゃないが耐えられない。半袖で富士山へ行ってはいけない。帰ろうとしたら、地元のテレビ局らしき人たちが取材をしていた。女子アナが随分落ち着いた雰囲気だった。テレビ局も番組名も女子アナの名前もよく分からなかった。

 

コンビニで部屋で飲む用の酒やおつまみを買って、ホテルへチェックイン。今回泊まったホテルは、「ラビスタ富士河口湖」という共立リゾート系列のホテルだ。泊まった部屋はラビスタスイート。4人一部屋は狭いかなと最初は不安だっだけれど、充分広くて、綺麗な部屋だった。風呂は部屋にも備え付けであるが、大浴場が1つ、貸切風呂が4つ、岩盤浴施設が1つある。大浴場はサウナ好きの僕も満足できるサウナ、水風呂もあって大満足だ。浴場の入り口にはアイスキャンディがあって、無料で食べる事ができる。それ以外にも冷蔵庫に入っているドリンク無料、22時30分から23時30分の間、夜鳴きそばがいっぱい無料、朝風呂はヤクルトが飲める、などお得さが前面に押し出されている。贅沢!

 

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お風呂に入って、疲れをとった僕たちはグータラしたくなって、夜ご飯の時間までベッドでグダグダしていた。僕はwifiNetflixの映画を見ていた。その時見ていたのは、「牯嶺街少年殺人事件」だ。4時間くらいの長い映画なので、旅行中に全部見ることはできない。

 

 

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なんでわざわざ見たかというと、この映画はなかなか見る事ができなかった映画だからだ。1991年に作成された台湾映画で、日本の配給元の会社が倒産したり、複雑な権利関係でなかなかソフト化に至らなかったらしい。3年前くらいに期間限定で日本の劇場で見る事ができたらしいが、その頃まだ映画にそこまで情熱がなかったので、見逃していた。僕が尊敬している人たちがこの映画をすごい好きだったので、Netflixで配信スタートしたら優先的に見てやろうとベッドに寝転びながらスマホで見ていた。

 

思い返せば、台湾映画を見たことはほとんどない。俳優陣の顔の区別もなかなかつかない。ただ演技の生っぽさがたまらないし、シーンの一つ一つがいつまでも見れるくらい、惹きつける力がある。

 

小四と小明の出会いのシーンが個人的事情と重なり強く印象的に残っている。小明が怪我をして、保健室で包帯を巻いてもらっている。小四は小明に肩を貸しながら歩くなんていうなんてことないシーンなのだけれど、この旅行の前日に似たようなシチュエーションを僕は経験していた。出勤途中、会社の後輩の女の子が足を痛めていて「足痛いの?」と聞いたら「そうなんです」と答えた。僕は照れ臭くて、気をつけて、お大事にと言って足早に去ろうとしてしまったけれど(今考えるとクソ野郎)、「足痛いのか聞いておいて、先に行っちゃうんですか」、と意地悪気味に僕に言ってくる。敵わないなと思いながら二人で並んで歩く、という事があった。足を痛めた女の子、という奇妙な符合に意味を見出してしまいがちな僕は、すでに恋煩いなのだろうか。

 

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夕食はフレンチのフルコース。当たり前のように美味しい。お腹がほぼ空かないうちに夜鳴きそばの時間になる。夜鳴きそばもぜひ食べたい、ともう一度食事処へ足を運ぶ。醤油ラーメンとトマトラーメンの二つから選べるが、僕はきっとシンプルなラーメンが美味いだろうと醤油ラーメンを注文する。想像通り、シンプルな味でうまい。

 

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夜鳴きそばを食べ終わった僕たちは、部屋で適当に酒を飲みながらアメトーークを見る。その日のアメトーークはスポーツ推薦芸人だ。ティモンディというコンビの強すぎるキャラクターにバカみたいに笑う。蛍原の一人仕切りの頑張りも良い。

 

歯を磨いて寝る。朝6時くらいに起きて、朝風呂に入る。その時は大浴場ではなく、貸切風呂に入る。貸切風呂はカップルで利用する時は良さそうだ、ただサウナがない、とひとりごちる。ヤクルトを飲んで、少しグダグダして、朝食バイキングを食べる。朝食を普段たくさん食べられないけれど、少し多めに食べる。それでも友達の方がたくさん食べている。

 

天気予報を見ると、午後には雨が降りそうである。早めにホテルを出て、牧場に向かう。今回向かったのはまかいの牧場という牧場だ。ホテルからは車で45分ほど。牧場ではアスレチックで遊んだり、羊に餌をあげたり、ワラビーを間近で観察したり、ソフトクリームを食べたり、牛乳を飲んだりした。牛乳のおいしさには感動してしまった。天気が悪くなるのが嫌だったので、2時間もしないうちに牧場を後にする。近くに富士花鳥園という施設があるみたいなので、そこに寄る。

 

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富士花鳥園は名前の通り、鳥や花を見ることのできる施設だが、鳥と触れ合うことができる。ワシやフクロウを触ることはできないけど、黒鳥やカモ、ペンギン、エミューに餌をあげることができる。鳥とこんなに触れ合ったのは初めてだ。900円でTシャツを買った。入館料1,000円程度だけど十分に満足できる施設だった。

 

富士花鳥園の後は、道の駅「朝霧公園」で牛乳を飲んだり、ご飯を食べた。この日は歩き回って疲れが出始めていたので、まだ14時30分くらいだったが、ホテルへ帰った。

 

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昨日のように風呂に入ってグダる。今日の夜ご飯は昨日とメニューを変えて和食だ。道の駅での昼ごはんや間食で食べ過ぎていた僕はお腹いっぱいの状態で夜ご飯を食べることになる。もったいない!

 

金曜ロードショー何やっているのかクイズの流れでウミガメのスープをみんなでやることにする。ウミガメのスープをやりながら、ドラマを見る。多部ちゃんが主演の「これは経費で落ちません!」だ。経理課時代を少し思い出す。

 

翌日、遅く起きる。11時ギリギリにチェックアウトして、ホテルを出発する。昨日のまかいの牧場の通り道で見かけたコウモリ穴やら風穴、氷穴を見に行く。

 

洞窟に入るのは初めてだ。洞窟内の涼しさに驚く。コウモリ穴とはいうもののコウモリを実際に見ることはなかった。ただ入口の建物でバットマンのポスターがたくさん展示されていた。氷穴は観光客がものすごいたくさんいた。僕らが知らないだけで、観光スポットなのだろう。洞窟内に入るまで20分くらいかかった。氷穴というだけあって、洞窟内には氷が積まれていたり、氷の柱があったりワクワクした。

 

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その後、ふじやま温泉で軽く汗を流し、レンタカーを返却し、旅行が終了した。プランをあまり立てずに行った旅行だけれど、やり残したことがもしかしたらあるかもしれないけれど、また同じような旅行をしたい。

 

おわり。