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カルチャーに関する話。

すみっコぐらしの映画見た

ネットで評判の「映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのこ」を見た。

 


『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』劇場予告(60秒)11月8日全国ロードショー!

 

正直すみっコぐらしのことをよく知らない中で映画を見に行ったのだけれど、序盤にしっかりキャラクターの紹介があるから、初心者ながら十分にすみっコぐらしの世界を楽しむことができた。実際に見てみると、ネットでの評判の高さも納得してしまう完成度の高さだった。後でチェックしてみると、脚本は、ヨーロッパ企画の角田貴志だし、監督はまんきゅうだ。スタッフ陣をチェックしている人たちが公開初日から見に行ったんだろうか。個人的にびっくりしたのが、映画の主題歌だ。主題歌を歌っているのは原田知世なんだけど、作詞が高橋久美子だった。チャットモンチーを抜けてからも当然のように活躍しているんだなと嬉しくなる。

 

すみっコとはそもそも中心から外れた者たちを肯定するためのキャラクターだ。しろくまは寒さが苦手で、北から逃げてきた。とんかつは肉が1%しかなくて食べ残された。そんな圧倒的な弱者である彼らを愛おしく感じ、見守りたくなってしまう。それがすみっコぐらしだ。

 

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今回の映画のあらすじは、すみっコたちが絵本の世界に迷い込んでしまうというもので、いたってシンプルだ。

 

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ねこが桃太郎になったり、しろくま赤ずきんちゃんになったり、絵本の中の登場人物を演じる。けれど完全になり切っているわけではなくて、すみっコらしさ全開で物語が展開していく。今回の物語の中核を担うのは「ひよこ」だ。

 

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絵本の世界にすみっコたちが迷い込んでしまうのだが、同じようにひよこも迷子になっていて、おうちも仲間もわからない状態だ。ひよこは孤独で、泣き虫で時折涙を流す。ひよこが迷子であることとぺんぎん自身が自分探しをしていることとリンクして、ぺんぎんはひよこに強い仲間意識を持つようになる。あっ、ぺんぎんはこの子のことです。

 

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孤独で泣き虫なひよこの成長譚でもある今作は、弱者であり、はぐれ者たちの集まりであるすみっコたちだからこそ描けた物語だ。まだ公開されたばかりなので核心に迫るようなネタバレは避けるけれど、とにかく優しさに溢れたこの物語を見届けてみてはいかがだろうか。