on the road

カルチャーに関する話。

遠く離れたところ

 

星野源の「Family Song」で僕が思い出すのは楳図かずおの『漂流教室』だ。そんなの僕しかいないんだろうけど。

 

漂流教室〔文庫版〕(1) (小学館文庫)

漂流教室〔文庫版〕(1) (小学館文庫)

 

 

漂流教室』の原作では、主人公の翔の母は未来にいる翔の声を聞く。翔の声を聞いた母は狂気じみている。『Stranger Things』で裏側の世界にいるウィルを探し求めるウィノナ・ライダーにも通ずるところがある。

 

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周りから見たら狂気じみているんだろうけれど、強い思いがこことは違うどこかとつながりうるんじゃないか。「Family Song」の一節でそれを思い起こす。

 

遠い場所も繋がっているよ

 

これは、血でつながってなくても家族たりえるってことを歌っているから、関係ないんじゃないか、って思うかもしれない。だけれど、僕には同じことなのだ。同じ場所で暮らしているとか、血のつながりがあるとか、そういう直接的なつながり以外にも人は結ばれうる。今はそう思っている。

 

叔父の告別式。僕は今回遠いところに行ってしまった叔父とはあまり話したことがない。最近は足を運ぶことのなくなってしまった新年の親族の集まり、お通夜の後の食事、そんな時にしか顔を合わせない。けれど、少なくとも親戚のおじさんとして僕は認識して、体調を崩していると聞いた時は気持ちが暗くなった。弱いつながりなのかもしれないけれど、感情が揺れ動いたり、母が小さい頃に誕生日ケーキを買ってくれたであるとか、保育園に妹を迎えにいっていたという思わぬ人間性が自分の0.01%くらい通ずる部分があるんじゃないかととか叔父の生活に想いを馳せたりした。