on the road

カルチャーに関する話。

2021年良かったものを思い出せる限り

去年のブログを見返すと、片手で数えられるくらいしか飲み会に参加していないと書いていた。今年は両手で数えられるくらい。飲みに行きたい人とは飲みに行けたので、去年ほど淋しさは感じていないかもしれない。ワクチンのおかげでようやく出口が見えてきたのかな、と楽観している。

 

何度も書いているが、僕は会社で4人しかいないコロナの対策本部事務局の一員で、他部署への折衝を部長・課長の代わりに行ってきた。今年の6月頃、大企業で職域接種ができるかも、というニュースが出回ったとき、友達やバイト時代の後輩、市の職員とか色んな人から話を聴いた。うちの会社は在宅勤務がそんなにできていなくて、70〜80%くらいは出社していたと思う。今までは会社の人にお願いしてきた感染症対策も本当に意味があるのか疑問だったので、ワクチンを会社で打てるとなったとき、ここが頑張りどきだとが無我夢中だった。

 

職域接種を自分の会社で、しかも早い時期にできたのは、5割くらい自分のおかげと自負してる。会社の人やその家族、取引先の人から少なくない回数感謝されて、やりがいというのはこういうことか、と思った。すっかり社会人になってしまったよ。

 

今年はきっと仕事のストレスで余裕がなくて、映画をあんまり見れなかった。それでも良いと思った作品はあったので、今年も年越すまでの時間で思い出していこうと思う。

 

映画

土井裕泰『花束みたいな恋をした』


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今年の上半期は『花束みたいな恋をした』も『大豆田とわこと三人の元夫』と個人的に坂元裕二作品が日々の楽しみだったかもしれない。『花束みたいな恋をした』の固有名詞の数々は、僕が大学時代触れてきた作品ばかりだったので、刺さりまくっていた。2人の気持ちがすれ違っていく様が非常に大好き。喧嘩してる途中に「結婚しよう」って麦くん(菅田将暉)が言うのが最高でした。ファミレスのシーンの清原果耶と細田佳央太の初々しいやりとりも大好きです。今年のマイベスト5のうちのひとつ。

 

庵野秀明『シン・エヴァンゲリオン𝄇』


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今までエヴァにちゃんと触れてこなかったけれど、流石にエヴァの最期を見届けたいとTVシリーズから全部見てからシンエヴァを見た。今までの作品に比べて、分かりやすくて、こんなに分かりやすく決着してしまって良いのだろうか、という気持ちとちゃんとエヴァが完結したことを祝いたい気持ちの二つがせめぎ合いながら、映画の余韻と宇多田ヒカルの曲を味わっていた。

 

前田浩二『まともじゃないのは君も一緒』


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『花束みたいな恋をした』で、清原果耶の演技に惹かれたのと、近くの映画館でやってたから観に行った。この映画では2人で並んで歩くシーンが多くて、コロナで外出する機会が激減していた時期だったから、なんでもないシーンなのにすごい愛おしく感じた。スナックで清原果耶がお酒を飲んでないのにくだ巻いてて、酔っ払いのおじさんたちが一生懸命状況を理解しようとするシーンが大好きです。

 

中川龍太郎四月の永い夢


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今年の映画じゃないけど。中川龍太郎監督は丁寧な暮らしを描いてくれるから大好きなのです。話のあらすじはあまり覚えていないけれど。とにかく映像が美しいです。

 

平尾隆之『映画大好きポンポさん』


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構図も凝りまくっているし、テンポが超絶良い。こういう映画を作る映画ってたまにあるけれど、ここまで言行一致している作品はなかなかないんじゃないでしょうか。アラン君のあのシーンは胸熱でしたね。

 

高橋渉『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』


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クレヨンしんちゃんよりはドラえもん派の僕は映画のクレヨンしんちゃんはあんまり観たことがなかったのだけれど、今年のクレヨンしんちゃんは傑作だという評判を聞いて観に行った。風間君はなぜみんなで天カス学園に入ろうよと誘っているのか、その理由がわかった瞬間、号泣してしまった。しんちゃんならではのハチャメチャさもありながら、ミステリーでもあるし青春映画でもあって、よくできた映画だったと思う。

 

松本壮史『サマーフィルムにのって』


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伊藤万理華大熱演の一作。時代劇映画を撮る高校生の話。時代劇とタイムスリップものの要素を組み合わせた映画って今までなかったんじゃないでしょうか。(あったらすいません)脚本で関わっている三浦直之含め、過去の名作への愛をストレートに語ってきた人たちだからこそ、この傑作が出来上がったんじゃないでしょうか。エンディングの余韻も最高でした。今年マイベスト5のうちのひとつです。

 

沖田修一子供はわかってあげない


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今年マイベスト5のひとつ。上白石萌歌の家族のリアルっぽさがたまらない。斉藤由貴のお母さん感素晴らしい。上白石萌歌細田佳央太が屋上から階段降りてくる長回しのシーンが好き。原作とはだいぶ味わいが違う気もするけれど、映画も面白いので、観て欲しいね。

 

草野翔吾『彼女が好きなものは』


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原作が好きだったけれど、映画も良かった。神尾楓珠も山田杏奈もビジュアル整いすぎ!って思いながら見てた。冒頭この映画の世界でもコロナが流行ったんだと思わせる描写があったけれど、それが物語の導入につながっていてうまいと思った。

 

エドガー・ライト『ラストナイト・イン・ソーホー』


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今年マイベスト5のうちのひとつ。映画見てる最中にこれは当たりだな、って思う瞬間がある。『ラストナイト・イン・ソーホー』だと、冒頭のダンスシーン。中盤のクラブでのダンスシーンでエロイーズとサンディがどんどん入れ替わるシーンで、もううっとりしちゃうくらい映像の快楽に溺れてしまった。そこからのホラー展開は若干トラウマものだけれど、エドガー・ライトが過去の悪しき部分をちゃんと批判しつつ、夢を追い求めることもちゃんと肯定していた作品を作ったということに大変意義があるし、今観るべき映画だと思う。

 

今泉力哉『街の上で』


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晦日に観た映画。非常にゆったりしてるけれど、ずっと観てられる。今泉力哉監督作品に出る俳優は全員魅力的に見えてしまう。警官の人だけちょっと演技下手な感じしたけれど。若葉竜也最高!穂志もえかも古川琴音も萩原みのりも中田青渚も魅力的。『君が世界のはじまり』でも関西弁だったけれど、中田青渚の関西弁惚れちゃう。今年マイベスト5のひとつ。

 

ドラマ

坂元裕二いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう

『花束みたいな恋をした』を観てから、坂元裕二ブームになっていて、そのころに観た作品。坂元裕二といえば、やっぱり手紙なんだなと思った。中盤くらいの話で読まれる高畑充希の手紙も最終話で読まれる有村架純の手紙もどっちも泣いてしまった。坂元裕二のドラマでいちばん好きかもしれない。

 

坂元裕二『大豆田とわこと三人の元夫』

ドラマを毎週リアルタイムで観る、というのを久しぶりにした。いつ恋で坂元裕二といえば、手紙と言ったけれど、第1話で披露宴で読むはずだった大豆田とわこの手紙が読まれなかった場面で、坂元裕二ってこうでしょ、というステレオタイプから抜け出そうとしている!とワクワクしたのを今でも思い出せる。主題歌もめちゃくちゃ良かった。

 

松本壮史『お耳に合いましたら。』


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ラジオやpodcastをよく聞く自分からしたら、このドラマを観ないわけにはいかないと毎週観ていた。第4話の彼氏に振られたことをpodcastで話す回がいちばん好きです。

 

漫画

熊倉献『ブランクスペース』

単純に絵柄が好きで読んだんだけれど、可愛さと不穏さがたまらないです。

ももせしゅうへい『向井くんはすごい!』

言ってしまえば、LGBTものなんだけれど、それで敬遠してしまうのは勿体ないと思う作品。超人気者の向井君はゲイでそれをカミングアウトしてるけれど、超人気者。主人公もゲイだけれど、まだカムアウトしていない。他者とどうわかり合えるかについて気付かされる良い漫画。

桂正和『I"s』

TBSラジオ空気階段の踊り場」の『I"s』特集回をきっかけに読んだ。エッチな漫画とばかり思っていたけれど、めちゃくちゃ良い恋愛漫画。(エッチなシーンがないわけではないけれど)まだ読んでない人は踊り場を聞いた上で読むべし。

 

稲垣理一郎/池上遼一『トリリオンゲーム』

ハッキングが得意なガクと喋りがうまいハルの2人がビジネスで成り上がっていく話。話のドライブ感がたまらない。

 

三浦椛『アオのハコ』

ジャンプから直球の恋愛漫画が登場してびっくりしている。数年前のエロ要素多めのラブコメが溢れてた時期を経て、こうした正統派の青春してる物語が紡がれてくれてありがたい。他の少年誌・青年誌もエロ要素に頼らない漫画を増やしてくれ〜。

 

タナカカツキ『マンガ サ道〜漫画で読むサウナ道〜』

『サ道』5巻の最後の話がすごい共感してしまった。今年は週2回はサウナに入っているからか、生活リズムが整う良さに気付きつつあった中で、ルーチン化した生活の心地よさについてうまく言語化してくれた話だった。

 

福本伸行/萩原天晴/上原求/新井和也『1日外出録ハンチョウ』

自粛生活を送っている中だったからか、1日だけ外出できるハンチョウの境遇とシンクロしてしまっていたのかもしれない。街中華に行きたくなったのはこの漫画のせい。友達とこんなくだらない話をしたいな〜と強く思わせてくれた。

 

椎名うみ青野くんに触りたいから死にたい

ギャグ漫画かなと思って、読み始めたらめちゃくちゃホラー漫画だった。この絵柄でも普通にめちゃくちゃ怖い。主人公のぶっ飛んだ愛に舞城王太郎を感じるのは僕だけでしょうか。

 

真造圭吾『ひらやすみ』

こんな人生を送ってみたかったランキング上位に入る。こんな愛し愛される人間になってみたいね。

 

小説

劉慈欣『三体Ⅲ 死神永生』

三体三部作の三部作目。二部で話綺麗に終わってるじゃん、と思ったら、二部の数倍のスケールで話が進んで、ワクワクしたのを覚えている。個人的には二部が一番好きだったのだけれど、こんなところにたどり着いてしまったのか、と三部のラストの余韻はひとしおだった。

キム・チョヨプ『私たちが光の速さで進めないなら』

今年知った小説家だけれど、とても好きな作家になった。世界SF作家会議で、キム・チョヨプが話す話がいちばん情景が鮮やかで鋭い視点だったので、気になって短編集を買ったのだけれど、これがドストライクだった。SFで繊細な感情を描いて、肯定して、この世界を生きていくための何かをくれる作品。

 

岸政彦編『東京の生活史』

東京で住んでいる人150人分のインタビューが収録された作品。読み進めないと話し手がどんな人なのかよくわからないし、急に出てくる固有名詞に困惑することもあるけれど、話し手のことをリアルな人としてイメージしやすい。寝る前に読むとちょうど良い。

 

音楽

星野源「創造」


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メロディーにも歌詞にも任天堂愛がこれでもかと詰め込まれていて、これがものを作るってことなのかと圧倒された。何かしなきゃ!って気持ちになる。今年いちばん聞きました。

 

STUTS&松たか子「Presence Ⅰ(Feat.KID FRESINO)」


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大豆田とわこが終わっても、ずっと聞き続けてた。後悔も悲哀も全部肯定してくれる歌が大好きなので、もちろんこの歌も大好きです。他バージョンだと、Remixをよく聞いてます。

 

銀杏BOYZ「少年少女」


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「ここにいてもいいから」の歌詞に救われた人が何人いただろう。僕もそのひとりです。

 

にしな「東京マーブル」


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「お耳に合いましたら。」のEDテーマでドラマだと伊藤万理華がダンスしてて、すごいキュートなんだけれど、それがきっかけでこの曲を聴きまくっていた。

 

Laura day romance「fever」


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去年は「rendez-vous」をよく聴いてたんだけれど、今年リリースされた「fever」もとっても良かった。やっぱり歌詞が素晴らしい。歌詞見ながら聴いてしまうことが多い。

 

Homecomingus「Here」


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ホムカミはもう8年くらい好きなので、こうしてメジャーデビューして最高を更新し続けてくれて、いちファンとしてとっても嬉しい。このMVの出来もめちゃくちゃ良いし、アルバムも良かった。

 

宇多田ヒカル「One Last Kiss」


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シンエヴァを見てからたまに聴いて、あの時の余韻にひたる、というのを繰り返してる。やっぱり宇多田ヒカルは天才ですね。

 

Enjoy Music Club「東京で考え中」


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今年の初め、一時的に本社じゃないところで働いていたのだけれど、その時期に聴いていた曲。あと2年もしないうちに30代に突入するので、じんわり沁みる。

 

Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich「Last Night In Soho」


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『ラストナイト・イン・ソーホー』を観てから聴いている曲。聴きながら、映画の余韻にひたる。

 

柴田聡子「雑感」


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柴田聡子が好きっていう人、周りにいないのだけれど、ライブに行ったことあるくらい好きなんです。今年リリースされたのだと、これと「サイレント・ホーリー・マッドネス・オールナイト』」が好き。

 

intellexual「Popstar(feat.Liam Kazar And Benny Sings)」


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ホムカミのラジオでかかっていた曲。ホムカミのラジオで洋楽にほんの少し詳しくなってきている気がする。ちょうど自分が好きなテイストのをかけてくれるし。

PUFFYこれが私の生きる道


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『まともじゃないのは君も一緒』で清原果耶がカラオケで歌ってて、懐かしいなと思って、今年はよく聴いてた。高校生がPUFFYの歌をカラオケで歌うって違和感ありまくりなのは気にしない。

Focus「Hocus Pocus」


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『ラストナイト・イン・ソーホー』きっかけで『ベイビー・ドライバー』でかかってた曲を聴き返してた。この曲は、終盤の逃走シーンでかかる曲なんだけれど、この曲聴きながら通勤してるとテンション上がる。

 

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書きながら映画見たり、お酒飲んでたら年越してしまいました。

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。